優勝

最強、優勝、恩寵

ハンバーグの話

  久しぶりにハンバーグを食べにいった。

  初めて行ったのは高校の時だったと思う。なつかしい。みんなで行った。

  その後のいつか行った時、おれは膀胱が面白くなってたタイミングで、5秒に一度手洗いに行ってた。この頃はまだ綺麗なお姉さんがお店にいた。

  またそれからしばらくして入った時は、店主のおじちゃんがワンオペで切り盛りしてて、大変そうだった。客入りも閑散としてた。疲労からか顔色のよくないおじちゃんが、汗を浮かべて調理場とフロアを行き来する姿を見て、おれはもうダメなんだなって、悟ったみたいに寂しさを噛み締めながらハンバーグかっくらった。三年か四年くらい前だった気がする。

 

  それで、つい先日に久しぶりにって行った。

  着いてみたら、店の壁は塗り直されてたし、でかい立て看板も綺麗になってた。新しい電光掲示板も入り口に設置されてた(これはどうなんだ?)。メニューも新しい推しが二つでかでかと追加されてた。

  嬉しくなって、普段はそんなに量を頼まないくせに400gで注文した。新顔のデミグラスハンバーグ。柔らかくて美味しかったから、田舎のおばあちゃんみたいな気持ちになって泣いた。田舎のおばあちゃんなので。

  カップルや若い家族づれがいっぱい入ってたから、また安定した軌道を取り戻したんだと思う。おじちゃんの顔色も良かった。

  会計のとき、三年か四年ぶりくらいに来ました、お変わりないようで良かった、そう伝えてみた。田舎のおばあちゃんだから。

  おじたんは何か言いかけてたけど、結局どう言ったものか選べなかったみたいにほおを緩めて笑ってたから、嬉しくなって泣いてしまった。おばあちゃんなので。

  曖昧に笑みを向け合う間を置いて、また来ますねって店を後にした。またハンバーグかっ喰らいたい。

 

  ちなみに水は水素水になってた。初めて水素水飲んだ。違いは分かんなかった。

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サラダ食べ終えかけて慌てて撮った。